3種類の儀式が行われる天台宗の葬儀
2019年11月15日
日本国内でとり行われる葬儀の多くが仏式です。ただ一口に仏式といっても、仏教には様々な宗派があり、それぞれに儀礼が異なることがあります。天台宗の場合、法華懺法(ほっけせんぽう)・例時作法(れいじさほう)・光明供(こうみょうく)の3種類の儀式が行われることが特徴的です。
法華懺法とは、法華経を読誦して自らが犯した罪を懺悔する儀式のことです。ここでいう罪とは法律上や道徳上のものではなく、人間を含めて一切の存在は平等であるという真理に背いて、妄念にとらわれた言動のことを指しています。
また、例時作法とは、心に阿弥陀仏を念じ、南無阿弥陀仏を唱えることで、極楽浄土へ往生することを目的として行う儀式です。そして光明供とは、阿弥陀仏を本尊として、光明真言を念誦する法要のことです。光明真言を唱えることで、数多くの死者が成仏されることを願っています。
ところで、天台宗の葬儀でも焼香が行われます。焼香のマナーとして、まず仏前で合掌と一礼を行います。次に親指と人差し指と中指の3本で焼香をつまみ、それを額の前で押し頂きます。そして、最後に香炉の中へ入れます。
この所作を3回繰り返し、合掌と一礼をして自席に戻ります。また天台宗の場合、使われる数珠は平玉と言われる薄い円形のものが一般的です。